1階下

これもやはり同じ杉並区のマンションの話です。
私の部屋は3階だったのですが、しばらくするとすぐ真下の2階の部屋の住民が 数ヶ月ごとに変わっていることに気づきました。 3ヶ月もしないうちに皆出て行ってしまうのです。 その理由について特に深く考える事はありませんでした。
ある時一人の女性が引っ越してきまして、4ヶ月を過ぎる頃になって初めて 「今度の人は長続きしているなぁ」と今更気がついた訳です。 ところがすぐに毎晩同じ時刻にその女性の叫び声が聞こえるようになったのです。
「なによぉ、なんなのよぉ。出て行ってよぉ!!!」と。
その後、私は骨折した時に埋め込んだ金具の除去のために入院しまして、 退院して戻るとその2階の部屋は空になっていました。 久しぶりに見る私の姿に大家さんが話しかけてきました。
「望月さん、入院しててしばらく留守でしたよね。 実は2階の人が夜中に音がうるさいと言ってノイローゼになってしまって 出て行ってもらったんですよ。 望月さんは留守だったはずなのに何がうるさかったんでしょうね?」